「意識の共有」・「更なる進化」をめざして
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮ぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。」の書き出しで知られる「方丈記」にて書かれた、「無常観」。この世の物全てに於いて「常」は無く、移り行くものである。しかし、過去に示されたこの「無常観」でさえ「無常」であり、進化し、変遷していくものである。
昨今、急速な「情報技術」の発展によりグローバルな情報発信、情報共有が容易に可能となり、我々青年会議所は、その「情報技術」を生かし、対外的な広報を強化して参りました。その成果は大きく、各地青年会議所との情報の共有や広域的な広報に於いて、目を見張る物があったと考えます。その功績を生かし、次代に向けた更なる進化を目指すにあたり、この急速な「情報技術」の発展がもたらす問題を考え、対応していかなければなりません。
我々が住むこの森町も「少子高齢化」が進み、年齢別人口割合を見ると50代後半がもっとも多い年齢層となっています。その年代の人々や、さらに高齢の人々が急速な発展を遂げた「情報化社会」に追尾し、対応できているのでしょうか?この疑問に対して、確認し、対応することにより、今以上に地域に根差した森青年会議所の活動を伝えることが出来るのではないでしょうか。また、若年層に於いては広域的な人との繋がりをサポートするSNSの浸透により、ネット上でのコミュニティ形成に於ける、コミュニケーションの間接化が進み、地域の人々とのコミュニティ形成能力の低下、直接的な感動や意思、情報などを人から受け取りあうことが少なくなっていると考えます。青年会議所が実践している、その場に足を運び、その場でしか味わえない感動や思いを実際に肌で感じるすばらしさ、そこに生まれる真のコミュニティが自分の未来に於いて、無限の可能性を秘めているということを我々は伝えていかなければなりません。
町の人全てが、自分の生まれ育った町に誇りを持ち、自分の町の未来が「明るい、豊かな町」であることを願っていると信じています。「新しき良きもの」と「古き良きもの」を融合させ、更なる進化を遂げた情報技術と行動力により得られる無限の可能性によって、「町に対する意識の共有」、「未来に対する意識の共有」が実現されることこそ、我々が目指す真の広報であると考えます。
最後に、我々青年会議所は組織である。組織は言い換えれば、「建物の骨組み」である。「柱」を繋ぐ「大梁」があり、「大梁」を繋ぐ「小梁」がある。それぞれが、それぞれに力を伝え、初めて構造体となる。それぞれが、それぞれの役割を果たし、力を注ぎ、互いに疎通ができて初めて組織となる。組織内のコミュニケーションを強化し、「意識の構造強化」が成されたとき、「組織の力」が増大し、今以上に人を「感動」させる力を発揮することができるのです。
|